魔術師の甥おい [読書・映画・音楽]
もじもじこぶくん [読書・映画・音楽]
福音館書店の月刊誌「こどものとも」。
「こどものとも」、「こどものとも年中向き」、「こどものとも年少版」、「こどものとも0.1.2」と、
対象年齢に合わせて毎月複数冊出版されている。
絵本の半額以下の値段で、手軽に良質な物語に触れることができるステキな雑誌だ。
絵本ファンとしては、「こどものとも」シリーズをすべて購入したいところだが、我が家の場合は、家計が許してくれない。
仕方がないので、毎月特に気に入った1冊だけを買うようにしている。
今月購入したのは、「こどものとも年中向き」の一冊、きくちちき作「もじもじこぶくん」。
恥ずかしがり屋のこぶたのこぶくんが、勇気をふるってアイスクリームを買う話・・・
というたわいのない話なのだけれど、きくちちきの描く絵が実にいい。
上手い・下手を超越したところにある絵。
心をぎゅっとつかむような魅力ある絵。
自分の子供のように愛おしい絵。
そんな絵なのだ。
うちの2人の娘たちが好きなのは、アイスクリーム屋さんの看板に、たくさんのメニューが書かれているページ。
「今日はバナナ味がいいな」だの「チョコ味は私の!」だの、欲望全開でしゃべるしゃべる。
だからこそ、わにがアイスクリームを爆買いするシーンでは、本気で「ずるい!!」と怒る。
「そんなことをしたらだめだよねぇ」「ぶたさんが泣いちゃうよねぇ」と道徳を語りだす。
そんな子どもの姿を見ていると、この本は、絵も話も、彼女たちの世界に、ごく近いところにあるのだろうなと思う。
きくちちきといえば、この2冊がおすすめだったが、新たにもう1冊、人にすすめたい本が増えた。
50 [読書・映画・音楽]
- 魔女の宅急便
- ハッピーバースデー
- ムンジャクンジュは毛虫じゃない
- 窓際のトットちゃん
- ひとりぼっちのロビンフッド
- キャプテンはつらいぜ
- ツバメ号とアマゾン号
- 冒険者たち
- クローディアの秘密
- モモ
- 銀のほのおの国
- 森は生きている
- 星の王子さま
- 山の向こうは青い海だった
- ほんとうの空色
- トムは真夜中の森で
- はるかな国の兄弟
- クラバート
- 風と木の歌
- 飛ぶ教室
- 西遊記
- シートン動物記
- 豚の死なない日
- 海辺の王国
- ホビットの冒険
- だれも知らない小さな国
- 少女ポリアンナ
- ニルスのふしぎな旅
- 二年間の休暇(十五少年漂流記)
- ふたりのイーダ
- トムソーヤの冒険
- ライオンと魔女
- きみは知らないほうがいい
- 西の魔女が死んだ
- 夏の庭
- 大盛りワックス虫ボトル
- 精霊の守り人
- ぼくがぼくであること
- チームひとり
- トリゴラス
- 百万回生きたねこ
- ぼくを探しに
- ゲド戦記
- てつがくのライオン
- 小公女
- 光車よ、まわれ!
- アラビアン・ナイト
- ダレン・シャン
- 銀河鉄道の夜
- きまぐれロボット
過保護と過干渉 [読書・映画・音楽]
ランサム・サーガ4作目『長い冬休み』読了。
ウォーカー兄弟とアマゾン姉妹、D姉弟が加わり、一層にぎやかになった今巻。
「北極圏」を目指すという体験を特別なものにするため、子どもたちが大切にしたのは「秘密」。
「秘密」とは、未知の余地を残しておくこと。
それこそが、冒険を冒険足らしめるのに一番大切なものであることを、子どもたちは知っている。年少のロジャでさえも。
だから彼らは、敢えて確認を怠る。聞きたくても聞かない。
物語では、それが波乱を巻き起こすことになる。
・・・結果として彼らは、望んでいた以上の冒険を味わうことになった。
大学時代に読んだ時は、自閉的で自分の世界を持つディックと、ティティ以上の空想癖を持つドロシアのD姉弟に強い共感を覚えた。彼らの冒険に心からの喝采を送ったものだ。
今もその気持ちは変わらないが、「もしかしたら、大変な事態になっていたかも」という「原住民的」感情がより強く顔を出すようになった。守るべきものを持った親の感情だ。
蛮勇は、良い結果によって帳消しにされる訳ではないのだ。
だからこそ、キャプテン・フリントとブラケット夫人の対応が光る。子どもたちに寄り添っているとはいえ、自分たちの庇護から離れた行き過ぎた冒険に対し、本心では「原住民的」対応をとりたかったかもしれない。しかし、それをしなかった。
8人全員が北極点にたどり着いたのを確認したとき、眠る子どもたちに対して2人のとった対応は、目覚めるまで待つことだった。子どもたちと共に眠るということだった。
現在の価値観では「あり得ない」対応だ。たぶん、当時でもそう。物語だから許される「寛容」なのだ。
ランサム・サーガにおいて、大人たちは子どもたちの世界に干渉をしない。(そうでない例もあるが)
しかし、無関心ではない。過保護なほどの確認を決して怠らない。
だからこそ、子どもたちは安心して冒険をする。
失敗や冒険に対する責任を自分たちで引き受けようとする。
信頼を裏切るような「ノロマ」な行為を心から恥じる。
失敗に対する寛容と挑戦に対する責任が、シーソーの両端で釣り合っているのだ。
「過保護はあっていい。過干渉がダメだ」というのは、明橋大二の言葉だったか。
自分の娘に、また、クラスの子どもたちに対し、どうだったろう。
そんな自省を迫られる読書になった。
ねこのそら [読書・映画・音楽]
久しぶりに出会った、震えるほどすばらしい絵本。
絵本とは、「絵」の本、
そこを外して、ただの挿絵付きの本になっている作品が多いが、この本は、正真正銘の「絵本」である。
栞と紙魚子 [読書・映画・音楽]
子どもが「読書」に夢中になる魔法の授業 [読書・映画・音楽]
通勤読書12冊目。
読書好きの子を作るのに必要なのは、本を選べる環境と本を読むための時間、そしてほんの少しの方向付け(めあてとも強制ともいう)。
この本が語っているのは要するにそういうシンプルなことなのだけれど、いろいろな「制約」を理由に、学校現場ではあまり実践されていない。
かくいう自分も、本を読むための時間をここまでは保障できていなかったなぁと思う。
子どもたちの学びを評価するには、さまざまな方法があります。
テストはそのための便利な方法かもしれません。しかし、テストが子どもたちの学びに大きな影響を与えてしまう事実も見逃すわけにはいきません。テストの存在が大きくなりすぎると、学びの本質が失われてしまいます。
質の高い力を育むための手段としての読書。
美しい文句だと思うけれど、テストによる評価がいまだに根強い学校現場で実践する場合は、まだまだ説得するだけの「成果」が必要だと思う。そのあたりの事情はアメリカも同じようで、筆者はそのへんも抜かりがない。
読書活動を学校現場で推進したいと思っている先生方には、ぜひ読んでほしいと思う。
子どもの図書館 [読書・映画・音楽]
新編 子どもの図書館〈石井桃子コレクションIII〉 (岩波現代文庫)
- 作者: 石井 桃子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/03/18
- メディア: 文庫
受け取り方から、自分はどっぷり教員であることを実感する。読書は己の今を思い知らせてくれる鏡だなぁ。
安心 [読書・映画・音楽]
正義、平凡 [読書・映画・音楽]
無知のヴェール。
利己を離れた視点から万人の利益を論ずる。
特定の立ち位置から見える観で世界を語り、断ずる。
いつの間にか自分がどうしようもなく利己であることに気付く。
けれども。
久しぶりに頭の考える部分がざわつく感じ。
教員的な自分ではない自分が、考えることを要求する。
教員の自分が、逃げずに目の前の事務仕事をせよと要求する(笑)。
平凡と非凡。
自分が平凡であることを受け入れることは苦しい。
「平凡であることを知っている」と人は言うが、
ソクラテスのような人は本当にはなかなかいない。