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範例を示す [教材研究]

「豊かな日本語の使い手になろう」の単元の最後、「日本語」を主題とした意見文を書かせている。


 ・読み手を納得させるためのワザを活用する。

・意見文の基本構成を理解する。

・結論(要旨)から書く。


書く力を付けることを主題としているが、書けるための前提として、

主題に対して自分の意見をもっている

ことが挙げられる。

今回、日本語に対して振り返るために、いくつかの切り口を用意して与えた。


・関心(必要性)が多様な言葉の使い分けを生み出す。(犬種、雲の名前、服の名前など)

・方言と共通語・・・多様性の許容について

・類義語・・・細やかな感性

・日本語の乱れ・・・略語、若者言葉、横文字など

・漢字とひらがなとカタカナ・・・それぞれをうまく使い分ける

・敬語は必要か


一番面白いのが「敬語」。

普段絶対に敬語を使わない子が、「敬語は必要である」と言う文章を書く一方で、言葉も生活態度もきちんとしている子が「敬語不要論」を展開している。

「長い伝統のあるものを否定するのは、伝統の戦うようなもの。それでも君は敬語に喧嘩を売りますか?」「ハイっ!」

何の話だろう(笑)。ともあれ、普段あまりコミュニケーションを取らない子同士が、敬語の是非を巡って対話をしている。

ていねいな議論をするためには、言葉の吟味が必要になる。教えたときは右から左に流していたのに、今さら「尊敬語」「謙譲語」「ていねい語」について細かく聞いてくる。荒っぽい括り方では、説得力のある論を展開することはできないと感じたのだろう。必要があれば、真剣に学ぶのだ。

ある子は、「敬語は身分差の生まれた弥生時代以降に生まれた」という仮説を展開していた。四民平等以降、日本に身分はないはず。相手への思いやりを示すだけならていねい語で十分。尊敬語、謙譲語は現代に不要という論理展開は、強引ではあるけれど歴史の学びが感じられて面白い。

早々に書きあげた5名の作文は、どれも単元のねらいを満たす良いものであった。問題は、そうでない作品をどう評価していくかである。

予定では子ども同士で作文を鑑賞し合うことになっているのだが、適正な評価ができるほど子どもの目は育っているだろうか。いくつかの抽出作だけを全体で評価していく方が良いとも思うが・・・子どもの作品が全て集まってからだな。

今回の実践で強く感じたのは、「範例」の効果である。

範例があっても、一定の子達はそれを越えていく。作文の不得手な子達は、それを利用して自分の作品をつくっていくことができる。

示す範例は、教師が示すねらいの反映でもある。評価もしやすくなる。


数え方でみがく日本語 [教材研究]


数え方でみがく日本語 (ちくまプリマー新書(018))

数え方でみがく日本語 (ちくまプリマー新書(018))

  • 作者: 飯田 朝子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/08/08
  • メディア: 新書



6年国語の教科書教材。

内容は面白いが、イマイチ使いづらい教材だなぁ・・・と思っていたが、とんでもない。

冬休みにじっくりと読み込んでみたら、「具体例」「対比」「比喩」「言い換え」「問いかけ」など、文章に説得力をもたせるためのワザがこれでもか!と使われている教材であった。

説明文「雨のいろいろ」と合わせ、「読む」「書く」を重視した単元計画を立ててみた。


「豊かな日本語の使い手になろう」(全10時間)

◆ねらい 

①2つの文章を読み、意見に説得力を持たせるためのワザを読み取る。(読む)

②意見に説得力を持たせるワザを使い、日本語についての自分の考えを書く。(書く)

◆指導計画

①②2つの説明文を音読する。「序論・本論・結論」に分ける。

③2つの説明文の「要旨」を端的にまとめる。

④ワザ1「具体例」を読み取り、具体例を使った作文を書く。

⑤ワザ2「対比による強調」を読み取り、対比による強調を使った作文を書く。

⑥ワザ3・4「比喩」「言い換え」を読み取り、比喩・言い換えを使った作文を書く。

⑦意見に説得力を持たせるワザを整理し、意見文のテーマを決めていく。

⑧⑨テーマに沿って、800~1200字程度の意見文を書く。

⑩書き上がった作文の鑑賞を行う。


1月23日の段階で、5時間目まで終了。

読み取ることはできても、作文に生かせない子も少なくない。

しかし、書ける子の題材の選び方のセンスが良くて驚く。

「子どもは携帯電話を持つべきである。」「チアリーディング、厳しい練習を乗り越えてこそ、本当の喜びがある。」「動物を飼うことの苦労とそれ以上の喜び」「インターネットの活用」「先生の良いところ・悪いところ(笑)」「日本の伝統文化」「ゲームの良さについて」「黒板とホワイトボードを対比する」「漫画と小説」「友だちは必要か?」・・・

2年間の学びがここにきてつながってきた手応えを感じている。

本時での学びは、この後、「○○の良さを伝えよう→書く」「今の私を伝えよう(特設単元)→話す」につなげていく。

つながりを意識させ、ていねいにていねいに考える授業をつくっていきたい。


ナス汁、ブシャー [教材研究]

理科「水溶液の性質」を調べる実験。

酸性・中性・アルカリ性を教えた後、リトマス試験紙でいろいろな水溶液を分類した。

教科書には、ムラサキキャベツ液を使った実験も載っている。

この実験をやろうと思ったのだが・・・ムラサキキャベツがどこにも売っていない。

仕方なく代理として準備したのが、「ナス汁」である。

ミョウバンを沸騰した湯に入れ、そこにナスをこれでもか!とブチ込む。

後は冷める間に汁に青い色が付く。これでナス汁の完成。


実験前に、「ナス汁」「「ブシャー!」というやり取りをしたかったのだが、

今日はテンションが低く、不発。

フナッスーの着ぐるみを着てけばよかったか(笑)。

笑いの面では、50点。

授業としては、85点やってもよい。

これは喜ぶべきことだろうか。うーむ。


短歌の評価 [教材研究]

・リズムを意識して言葉を整えているか。

・感動が間接的に表現されているか。


間接表現 [教材研究]

「夏のかぜ 山より来たる 三百の 牧の若馬 耳吹かれけり」

さわやかな風だと分かるのは、どの言葉からか。

夏→夏と言えば暑い。それに対して風は冷たい、涼しい。対比的に書かれているのだから、風は涼しさの象徴。ゆえに、さわやか。

山より来る→山は牧のある所より高いところ。高所の空気は涼しい。

若馬→若さ=さわやかさのイメージ。

耳→話者は、馬の耳の動きで風を感じている。強い風ならば、たてがみ等もっと目立つ部分で感じるはず。

◆短歌や俳句の言葉は、イメージを多くはらんでいる。

◆耳の動きで風の強さを表すような表現を、間接表現と言う。

間接表現の例 夏目漱石 「月がきれいですね」


宿題 [教材研究]

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自主学習を宿題に切り替えて1年半。

形式は安心を与える。子ども達の家庭学習の取り組みは格段に良くなった。

形式は窮屈さを与えるか。

否。

形式の中でも「遊ぶ」のが子ども。

最近、漢字ノートもプリントも自由度が高く面白い。


板書にイラストを [教材研究]

今までやったことのないことに着手する。

最近取り組んでいるのがイラスト板書。

教科書などに図解されているイラストや写真をそのまま板書に生かす。

時間がかかるので避けてきたのだが、日本地図や資料など、キチンと板書したものは定着が良い。

視覚に訴える+実際に手を動かして書くというのが良いようだ。

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上は社会の授業の板書。

頭の中だけで考えるより、イメージがわく。

教師も同じ。教科書を写しながら、いろいろな考えが出てくる。

ただの「お絵かき」にならないか心配だったけれど、どうやら杞憂だった。

今までやったことのないこと、避けてきたことに着手する。

なかなか面白い。


作文指導 「限定」「抽象化」 [教材研究]

「4年生に委員会活動を伝える」文章を書かせている。

目的と対象がはっきりしている分、書きやすいかと思ったが、そうでもないらしい。

日本語としておかしい文章が量産されている。

構成以前に、正しい一文が書けないのだ。


たとえば、次のような文。

①記入するものは、ほうきやちりとりがきれいになっているかをしらべてカードに○か◎ か△でカードに記入をしています。・・・ 

委員の仕事は、フリースローのための玉入れを用意したり、ルールや人数、場所を考え各クラスに説明をしに行きます。・・・ 

③私たちは、福島への復興と学校内で役立てるためベルマークを集めています。・・・


主語と述語のねじれ、「たり」の用法ミス、並列する単語のカテゴリーミス、同一表現の重複など。

不備を上げたらきりがないが、逐一指摘しなければ、自分で推敲ができない。まだ誤りが「見えない」段階である。

重箱の隅をつつく指導は、労力多く、見返りが少ない。

けれども、1年に一度は必要な指導だと、最近再び思うようになった。

量を積ませることはもちろんだが、最低限の質は指導しなければならないのではないか。

 


今単元での指導のポイントは、「抽象化」と「限定」。

具体的に書く以前に、何を書くのかをズバリ決めさせる。それは主題の抽象化であり、書く場面の限定でもある。

物語のあらすじ、説明文の要約指導など、その都度行ってきたつもりだったが、「つもり」がいかに当てにならないかを痛感した。

さて、今週は作文週間。覚悟を決めて指導に臨まなければなるまい。

 


七五調 [教材研究]

「平家物語」を扱ったあと、教科書にカール・ブッセの「山のあなた(上田敏訳)」が掲載されている。

どちらも文語定型詩、七五調で書かれている。

この次が俳句の学習でもある。

良い機会だったので、ずっと考えていた「七五調」の授業をすることにした。

◆日本人に愛されてきた七五調

・童謡における七五調→どんぐりころころ、ももたろう、うらしまたろうなど

・時代劇に生きる七五調→水戸黄門「ああ人生に涙あり」

◆七音のリズム、五音のリズム

「きらきらぼし」は七音の連続による定型詩

パフュームの「ポリリズム」も七音の連続、サビは五七調

◆同一リズムを生かした替え歌

水戸黄門→どんぐりころころ

平家物語をラップ調に→山のあなたをラップ調に


ああ(この言い方が大事!) われ人ととめゆきて

をラップ調で読むところで男子は大爆笑。女子は冷たい目(笑)。

語尾を伸ばすとラップっぽくなると子どもは氣付いた。どうでもいいですけど。


最後に再びパフュームの名曲「575」を紹介。

会えなくて 気持ちはどこにあるのかな
会いたくて でも打つ文字が見つからない

 
この授業で、私はパフューム・ファンということになった(笑)。どうでもいいですけれど。


 授業後、数名の子が好きな歌謡曲(この言い方が古い)が七五調にならないか調べてきた。

「先生、美空ひばりの『みだれ髪』はどうでしょう?」・・・って、おまえは何時代の人間だ(笑)。彼は熱烈な山口百恵ファン。

「爽健美茶はどうですか?」・・・! これは盲点。

私も考えてみたが、「走れコータロー」くらいしか出てこなかった。

興味は尽きない。

 

 

 

 


5年図工「糸のこのドライブ」 [教材研究]

単元名「糸のこのドライブ」

例年、ポスターカラーで着色を薦めるのだが、今回は絵の具を積極的に使うよう指示した。

塗りの丁寧な子が多いから。

題材は自由とした。

キャラクターを選ぶ子が大半かな・・・と思ったが、まさかの手塚先生を描いた子も(笑)。

バラエティに富んだ作品が集まるのは、クラスの文化が豊かな証拠。

なかなか素敵な作品が集まったと思う。

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例によって下学年の子と交流も行った。

自分の作品を他の人に楽しんでもらえ、とても嬉しそうだった。 

 


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