給食アンサンブル [読書・映画・音楽]


短編集「給食アンサンブル」の一篇、「七夕ゼリー」より。
  • 家庭の事情で転校した美貴。

    心は前の環境に置き去りのまま、新しい中学校で「ここは私の場所ではない」という思いを抱えて過ごしています。前の中学校はよかったのに。それに比べて、今の中学校は・・・

  • 不満の最たるものが給食の時間です。安っぽい献立も、騒々しい食事環境も、何もかもが気に入りません。給食を口にしようとしない行為に、新しい世界を取り込もうとしない美貴の心情が象徴的に表れています。

    前半部分の美貴の心情は、クラスがえがあって、新しいクラスになじめない子たちには、とても共感できると思います。

  • そんな美貴が変わることができたのは、周囲の優しさがあったからです。それは間違いありません。でも、いかに恵まれた環境にあっても、変われない人は変われないのです。美貴は、自分の寂しさに気付いていたから、周囲の優しさを変わるためのきっかけとして受け止められました。

  • 「素直になれば、世界は変わる。」簡単なことのようだけど、とても難しいことですね。現実には、なじめないまま鬱屈とした日々を送っている中高生も多いことでしょう。私自身もそうでしたし。

  • 給食を美味しく口にすることができた美貴の変化を、大人になった私は「希望」と感じましたが、若い世代の人たちは、どんな読後感をもつのでしょう。意見交換をしてみたいなぁと思いました。


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