カイコ大図鑑 [読書・映画・音楽]
国土社から出版されている大研究図鑑シリーズの1冊、
『大研究カイコ図鑑』です。
「大」研究という名前にふさわしい、充実した1冊となっています。
※カイコの解剖の仕方や、解剖写真まで掲載されていますので、小さなお子さんのいる家庭には配慮のいる1冊かもしれません。
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今年度、総合的な学習の時間で養蚕に取り組んでいます。
私が小学生の頃は、まだ総合という教科はなかったのですが、担任の先生に思いがあったのでしょう、養蚕に取り組んだことがあり、30年を経た今も、その経験を強烈に覚えています。
今の教え子の幾人かも、強烈な思い出としていつかカイコのことを思い出すのかも…と考えると、一つの体験のつながりというか、運命の糸のようなものを感じます。カイコだけに。
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さて、カイコを育てる経験をすることは、それだけで素晴らしい学びだと思いますが、
実体験だけでは、カイコや養蚕のおもしろさの一端に触れたにすぎません。
そこで必要になってくるのが、学びを広げるための手引きです。
先に紹介しました『カイコ大図鑑』は、子ども達のみならず、大人の興味も喚起してくれるマストな1冊です。他にもさまざまな絵本や専門書が出ていますが、分かりやすさと具体性においてこの本に勝る本はないでしょう。
お値段に見合うだけの価値ある本だと、自信をもっておススメします。
3年生の理科で観察カードを書かせていますが、「背脈管(はいみゃくかん)」「眼状紋(がんじょうもん)」などの専門用語がたくさん使われます。明らかに『カイコ大図鑑』の影響です。
専門用語を駆使(!?)して観察カードを書き、会話をしているとき、小さなカイコ博士たちの顔はとても誇らしげです。言葉のチカラってすごいなぁと改めて感じます。
かくいう私も、最近、職員室で「マルピーギ管」「尾角」などの言葉を使い、学年の先生方とお話をしています。
他学年の先生方には「よしよし。新しく知った言葉を使いたいんだな。」と思われていることでしょう(笑)。
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そうそう。
子どもの頃、飼育しているカイコの背にマジックで色を付け、カラフルな糸を吐くかを実験したことがありました。私の記憶の中では、カラフルなまゆ玉ができたことになっていたのですが、冷静に考えてみれば、皮膚に着色したら色の糸を吐くのっておかしいですよね?
幼かった自分の記憶違いかな…と思っていたのですが、この本を読み、実際に実験をやってみて、新たな知見を得ることができました。
驚きがあふれる、まさに「ワンダフルな」体験でした。
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気になる方は、ぜひこの本をご購入ください。
カイコの生態を通し、生命の不思議さ、素晴らしさを感じることができるはずです。
2019-06-22 08:05
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