願いを届けたいときは [読書・映画・音楽]

白のままでは生きられない―志村ふくみの言葉 (生きる言葉シリーズ)

白のままでは生きられない―志村ふくみの言葉 (生きる言葉シリーズ)

  • 作者: 志村 ふくみ
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 2010/01/21
  • メディア: 単行本
染色作家・志村ふくみさん。
いくつもの著作の中で、含蓄に富んだ言葉を書き残しています。
(私が特に好きなのは、『一色一生』)
過去の著作の中から、光る言葉を抜粋し再構成したのが上の『白のままではいられない』です。
名言集や語録のような本を想像すると分かりやすいでしょう。
著者監修とはいうものの、言葉を抜粋し再構成した時点で、言葉に含意されるものは原文とは異なります。
事実、原文を読んだときと、断片集である本作を読んだときとでは、印象がずいぶん違いました。
前後の文脈とのかかわりがなく、意味の限定が少ない分、想像の余地が大きく、自分自身の思いを投影しやすいのです。筆者との対話というより、言葉を手がかりに自由に思いを巡らせるのを好む自分には、とてもありがたい本です。
物を創る人間に絶えずより添って決して離れない手、無言で加勢してくれる手、裏切らない手、怖しい手、私達は思わずその手が手をかさずにはいられない、そういう仕事をしているだろうか。(P138)
つい先日、何気なしに開いたページに書かれた言葉が強く胸に響きました。
それは、今の自分の仕事が「そういう仕事」になっていないという思いがあったからでしょう。
先日、教え子たちに「ていねいさ」についての話をしました。
私たちは、誰かに血の通った願いを届けたいとき、相手にだけではなく、自分自身にも願いを向けなければならない・・・そう思います。
私自身が、ていねいに生きなければなりません。

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