じゃあね [もっとてつがくの6の3]
3時過ぎ、卒業した新中1の子達が卒業式の写真を取りに来た。
制服姿のせいか、みんな少しだけ大人びて見える。
晴れやかな表情。
先生に似た熱い先生がいるという話をたくさんの子から聞く。
「△組の先生は、松岡修造が好きなんだって。全力、全力って先生見たいだった!」
「◆組の先生は、いきなりこれまで過ごしてきた時間の話を始めた。先生見たいだった!」
・・・って、中学に何人似た教師がいるのだ(笑)。
伝わったかどうかはともかく、彼らの中に「ことば」が生きているのは喜ぶべきところか。
「今までありがとうございました」
わざわざあいさつを言い直しに来た子たちもいる。
後には、寂しいような清々しいような氣持ちだけが残る。
ああ、これで本当に「じゃあね」なのだ。
そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼きをかけた鋼です。
そして星が一杯です。
けれども東の空はもう優しい桔梗の花びらのようにあやしい底光りをはじめました。
その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流されてサラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。
実にその微かな音が丘の上の一本いちょうの木に聞える位澄み切った明け方です。
いちょうの実はみんな一度に目をさましました。
そしてドキッとしたのです。
今日こそはたしかに旅立ちの日でした。
2013-04-06 07:45
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子ども達も学校に来ることで、区切りをつけることができたでしょうね。
本当に「じゃあね」ですね。
宮澤賢治の絵本、素敵ですね。
文体に透明感があり、寂しさを感じさせますね。
by し〜さん (2013-04-06 07:56)