数学ガール ガロア数論 [読書・映画・音楽]
読み終えたが、「読了」には程遠い。
本書で語られているガロア理論の輪郭がまるで見えないのである。
それにもかかわらず、「数学の奥深さ」、そして「自分で学ぶことの大切さ」がしっかりと感じられる・・・不思議な本だ。
本書の中に20歳で生涯を終えたガロアの話が出てくる。
「かっこいいにゃあ」と口にしたユーリに対し、冷静沈着なミルカさんが思わず「…そんなことを言うな」と声を上げる。
これは作者の声である。
夭折は天才の必要条件ではないのだ。
ガロアのメッセージは登場人物達へ、そして読者へと引き継がれて生きる。
ガロアを生かすこと。読了するとはそこまでを成し遂げなければ使えない言葉である。
答えをではなく、問いを。
終わりではなく、始まりを。
非完結性こそが良書の条件である。
また1冊、大切な本が増えた。
2012-06-24 21:53
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