評論文「注文の多い料理店」 ②風について [教材研究]

 

  風について

 

 風について検討する。

 この物語では、全部で三回風が吹く・。

 一回目は、8ページの「風がどうと吹いてきて、草はザワザワ、木の葉はカサカサ、木はゴトンゴトンと鳴りました」という、料理店に入る前のところである。

 二回目は、12ページの「そしたら、どうです。ブラシを板の上に置くやいなや、そいつがぼうっとかすんでなくなって、風がどうっと部屋の中へ入ってきました。」というところである。

 三回目は、21ページの「風がどうと吹いてきて、草はザワザワ、木の葉はカサカサ、木はゴトンゴトンと鳴りました。」という、料理店から出たところである。

 

 この三回の風には、それぞれ意味がある。

 一回目の風は、腹をすかせた紳士達が道に迷い、料理店を見つける前に吹いてくる。この風が吹いた後、紳士達は注文の多い料理店へとはいっていくことになる。

 

 二回目の風は、五回目の注文の後に吹く。「ブラシを置くや否や、そいつがぼうっとかすんで無くなって、風がどうっと入ってきました。」とある。、風が吹いたときに不思議なできごとが起きているのだである。この風は、これから不思議なできごとが起きますよという賢治から読者への合図ではないかと考えられる。

 

 三回目は、一回目の風のときと同じで、「風がどうと吹いて、料理店は消え、紳士達は現実の世界に帰ってくる。図に表すとこうだ。(省略)

 

 

 

 つまり、一回目と三回目の風は、現実の世界と不思議な世界との入口と出口の役目を果たしているのだ。

 

 このように、賢治はただの風にも意味を持たせて書いているのである。


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