2016年の始まりに寄せて [ことば]

2015年の春から、自分を取り巻く環境が大きく変わった。
これまで、
「自分は適応力のある人間。どんな変化にもすぐに順応して馴染んでいける」
と嘯いていたのだが、自身の順応性のなさを嫌でも実感させられる日々は、これまで築いてきた自己認識を揺らがせるには十分すぎた。
苦しかった。
2015年の振り返りは、その一語に尽きる。

では、その苦しみに意味は無かったかというと、そうではない。
苦しかった日々は、本当にたくさんの考える時間を与えてくれた。

渦中にあるときは、ひたすら現在の境遇を恨むことしかできなかった。今も渦中にあることは間違いないのだが、苦しさに意味を見いだせるようになったのは、ある意味では渦中を抜け出せたのかもしれない。
そこにいて苦しむ自分を、距離をおいて眺めやれるようになった。
あと3か月は、何とかやっていけるのではないか。
今はそういう心境になっている。

新しい年の初めに、ある種の決意を込めて行ったことが2つある。
1つは、高校受験以来、自分にとって大きな意味を持っている初日の出を参拝を行ったこと。
もう1つは、ライナー・マリア・リルケの「若き詩人への手紙」を久しぶりに読み返したこと。
どちらも、心を洗濯するような体験となった。

この内部への転向から、自分の世界への沈潜から、詩が生まれ出るならば、
あなたはそれがよい詩かどうかと、誰かに尋ねてみようとはお考えにならないでしょう。
(リルケ「若き詩人への手紙」より)

苦しみは、図らずも自分の世界への沈潜を促した。思ったよりも長かった潜水生活で生まれてきた消えない感情。それは、人に何と言われようと「本物」なのだ。断じて。
2016年は、少しだけ「強く」それを信じてみようと思う。自分以外には意味の分からない文章だが、新年の決意の表明としてここに残しておく。

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し〜

今年もどうぞよろしくおねがいします。あと3カ月ですね・・・
この1年に大きな意味があったとわかるのはずっと後になるのかもしれませんが、現場に戻った時、景色が違って見えるでしょうね。それがとっても羨ましいです。
by し〜 (2016-01-04 09:32) 

はせがわくんきらいや

現場に戻った時に、景色が違って見える・・・とても素敵な言葉をありがとうございます。

機会を与えられたことを改めてチャンスと捉え、残りの日々を大切に過ごそうと思います。

こちらこそ今年もよろしくお願いします。

by はせがわくんきらいや (2016-01-04 20:21) 

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