朝読書「ムンジャクンジュは毛虫じゃない」 [11代・熱血魂5の3]

ムンジャクンジュは毛虫じゃない (偕成社文庫)

ムンジャクンジュは毛虫じゃない (偕成社文庫)

  • 作者: 岡田 淳
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1993/03
  • メディア: 単行本

◆途中読めないときもあったが、読み聞かせ終了。

ムンジャクンジュが登場したあたりから、子ども達が話に引き込まれているのがハッキリと分かった。

◆1学期、「世界でいちばんやかましい音」を学習した際に、


・中心人物

・山場


という学習用語を教えた。

直接その言葉を用いなかったが、「ムンジャクンジュの登場で変わったものはなんだろうね?」と問いかけたところ、

「転入生のよしえちゃんがクラスの一員になった。だって、方言を使うようになった」

「その前に、クラスの友達と普通に話をするようになったよ。」

という答えが返ってきた。

よしえの変容に注目したようだった。

うん、一番分かってほしい部分は読みとれている。

◆授業ではなかったので、多くは語らなかったが、伝えたほうが良かった・・・と後悔していることがある。

それは、「よしえの周囲の変容」について。 

確かに、よしえ自身が変わったという記述も多い。けれども、周りの見る目が変わってきたことが、よしえの変容を促した。この点が決定的に大事なのだ。

この物語は、よしえの成長物語であり、クラスの成長物語である。

おとなしくて暗い、いつも伏し目がちな女の子。よしえのキャラクターをそう決めているのは、クラスの仲間である。

ムンジャクンジュの登場によってよしえは変わり、ムンジャクンジュが退場した後もよしえは変わったままだ。クラスの仲間たちがよしえを仲間として認め、受け入れたからだ。

物語当初のよしえのキャラクターは、彼女に内在的なものではなく、クラスや周囲の目が決めていた、と言える。ムンジャクンジュは、よしえに向上的変容を促したのと同時に、クラスメイトのよしえに対する評価も変えた。

このよしえの周囲の変容について、触れておけばよかったなぁ・・・と後悔している。

国語的な意味だけでなく、学級経営においても大切な視点だから。

◆とはいえ、読み聞かせ自体は大変好評だった。

「次は何を読んでくれるの?」と期待している子も多い。

3冊目は山中恒さんの作品を読むとだけ予告しておいた。

岡田さんの作品は、子ども的でありながら「品の良い」作品だったので、「毒のある」作品にも触れさせたかったのだ。

さて、何を読もうかなぁ。

 

 

 


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