朝読書「ムンジャクンジュは毛虫じゃない」 [11代・熱血魂5の3]
◆途中読めないときもあったが、読み聞かせ終了。
ムンジャクンジュが登場したあたりから、子ども達が話に引き込まれているのがハッキリと分かった。
◆1学期、「世界でいちばんやかましい音」を学習した際に、
・中心人物
・山場
という学習用語を教えた。
直接その言葉を用いなかったが、「ムンジャクンジュの登場で変わったものはなんだろうね?」と問いかけたところ、
「転入生のよしえちゃんがクラスの一員になった。だって、方言を使うようになった」
「その前に、クラスの友達と普通に話をするようになったよ。」
という答えが返ってきた。
よしえの変容に注目したようだった。
うん、一番分かってほしい部分は読みとれている。
◆授業ではなかったので、多くは語らなかったが、伝えたほうが良かった・・・と後悔していることがある。
それは、「よしえの周囲の変容」について。
確かに、よしえ自身が変わったという記述も多い。けれども、周りの見る目が変わってきたことが、よしえの変容を促した。この点が決定的に大事なのだ。
この物語は、よしえの成長物語であり、クラスの成長物語である。
おとなしくて暗い、いつも伏し目がちな女の子。よしえのキャラクターをそう決めているのは、クラスの仲間である。
ムンジャクンジュの登場によってよしえは変わり、ムンジャクンジュが退場した後もよしえは変わったままだ。クラスの仲間たちがよしえを仲間として認め、受け入れたからだ。
物語当初のよしえのキャラクターは、彼女に内在的なものではなく、クラスや周囲の目が決めていた、と言える。ムンジャクンジュは、よしえに向上的変容を促したのと同時に、クラスメイトのよしえに対する評価も変えた。
このよしえの周囲の変容について、触れておけばよかったなぁ・・・と後悔している。
国語的な意味だけでなく、学級経営においても大切な視点だから。
◆とはいえ、読み聞かせ自体は大変好評だった。
「次は何を読んでくれるの?」と期待している子も多い。
3冊目は山中恒さんの作品を読むとだけ予告しておいた。
岡田さんの作品は、子ども的でありながら「品の良い」作品だったので、「毒のある」作品にも触れさせたかったのだ。
さて、何を読もうかなぁ。
コメント 0