2018-11-25

くりーくん(1) (アフタヌーンKC)

くりーくん(1) (アフタヌーンKC)

  • 作者: ハグキ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/06/07
  • メディア: コミック
リストラされて、妻に離縁されて、愛娘との生活を失った白ネズミのくりーくん。
ある日、暮らしを立て直しつつあるくりーくんの元に、成長した愛娘スプーンから連絡が届く(ネズミの成長は早いのだ)。
勉強で苦労している娘に対し、くりーくんは父親らしく言う、
「勉強もほどほどにして好きなことをやれ。好きな事に打ち込むのも1つの道だぞ。」
大変だけれど、娘が塾通いを頑張っていることを知り、くりーくんは言う、
「そうか、偉いじゃん! その調子でがんばれ。」
スプーンは答える。
「さっきと言っている事ちがうじゃん。」
そんな娘に対し、笑顔で「とにかくがんばろう」と返したくりーくんだが、一人になったときにふとつぶやく、

「何が正解なのかよくわからない。決めつけて言うのはヤメよう。」と。


家族や社会と一定の距離を取りながら生きているくりーくんにとって、決めつけた発言は合わなかったのかもしれない。さまざまな判断を留保し続けるところにくりーくんの生き方はあるのだ。しかし、家族や社会という「現場」に、片足どころか全身を浸している者にはどうだろう。「男にはダメと分かっていても、やらねばならぬときがある」という任侠の世界ではないが、「決めつけと分かっていても、言い切らねばならぬときがある」のではないか。


言い切ってしまえるのは強さであり、覚悟の証である。若いころは、そう考えていた。少し年を取って、むしろ言い切ってしまうのは弱さの露呈であるかもしれないと思うようになった。いろいろな物事に対して、判断をすることに消極的な時期が自分にはあった。そして今再び、言い切ってしまえる強さを求めている自分がいる。ブログという場で、発言を再びするようになったのも、そうした思いの一つの現れなのだろう。

「何が正解なのかよくわからない。にもかかわらず、これが正解だと自分は考える。」

そう言い切れる強さがほしい。

置かれた状況によって、考えは容易に移ろっていく。大切なのは、「にもかかわらず」なのだ。この思い自体、移ろっていくものかもしれないのだけれど。



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